
私、在東京マリ共和国、ギセ・マイムナ・ジャル特命全権大使は日本、 オーストラリア、ブルネイ、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、 ニュージーランドを管轄するマリ大使館の代表者です。
私はマリ共和国の大統領の代理として管轄国において公権を受けています。 またマリ外務省の代表として管轄国において外交を行います。 つまり、国家を代表して国家間の取り決めの交渉をしたり締結を結びます。 具体的には、全管轄国の政情や国際関係問題の状況に関するあらゆる点について本国に報告をします。
また本国の政策を外国に知らせ、管轄国に住んでいるマリ人やマリの法人の保護にあたります。 管轄国において経済、貿易、文化、社会、科学技術等における友好関係を築くよう努めます。
ガーナ帝国、マリ帝国、ソンガイ帝国の文明を受け継ぎ、 歴史なかのさまざまな出来事を通してマリの伝統的文化が発展してきました。
マリにはさまざまな側面があります。それを知るには人類が経てきた幾つもの世紀を遡り、 その間の紛れもないアフリカの姿を探求することから始めなくてはなりません。 アフリカの地理的な状況においても数世紀に渡って文明の交差点として有利な立場にありました。 アフリカ地中海沿岸の国々からサハラ砂漠の北部へ、また大西洋岸の国々からサハラ砂漠以南へとさまざまな文明の産物が交わり、 その恩恵を被ることができたのです。
このようにさまざまなサイクルの異文化の合成、共存、重複、 継承を経ることによりそれぞれの文化はさらに発展するようになったのです。 そのため、今日、マリは大帝国の発祥地、あらゆる人種と文化の坩堝と称されているのです。 また、さまざまな文明の交差点でありながら、マリはその面積の広さにより気候や植物相、 動物相がたいへんバラエティに富んでいます。 南はスーダニアンのサバンナから植生豊かなサヘル(砂漠と沿海地の中間地帯)のステップ地帯、そしてサハラ砂漠があります。
この変化に富んだ自然環境はマリの人々に定着民、半遊牧民、遊牧民といろいろな生活様式を生み出しました。 しかし、これらの対照的な地理的、文化的な多様性はマリの国民の団結や社会的調和の発展を妨げることはありませんでした。 同様に家庭内、また民族の間で、伝統を重んじ、目上の人を尊敬し、 協力しあうといった教えが文化の根幹を成しておりそれもマリの豊かさを物語っています。 また「シナグヤ」という言葉があり、これは気楽な親戚関係という意味で、 この結束の強さが家族や民族が直面する問題を解決してくれます。これもマリの特徴です。
日本人とマリ人は現代にまで通じる伝統をしっかりと保ち重んじるという点で似ています。 またマリの人々の暖かな歓迎ぶりは伝説的に有名です。 これは「ディアティグイヤ」と呼ばれあらゆる外国人に対して歓迎し、家に泊め、仲良くすることを指しています。
どの国でもそうですが、やはりマリにも年代間における軋轢が存在します。 確かにメディア、特に他の文化の否定的な部分やイメージを伝えるテレビの影響はそれを増長しているでしょう。 若い人々に年上の人を敬うことの大切さを教え、気づかせることが必要です。
早稲田アンバサダーに選ばれた方には日本の若者とアフリカ人に本当の平和と協力、連帯、友愛の関係を築いていただきたいと思います。
若い人々は国の未来を担っています。 国を作ってゆく役割を果たすために注意深く思慮深くあらねばなりません。 ですから私たちは健全な環境のなかで最高の教育を確保するために必要で適切な手筈を整えなくてはなりません。 また皆さんたち若者に国の将来がかかっています。あらゆる人に最良の未来を与えてあげる義務があるのです。 そのために果敢に立ち向かっていただきたいと心より激励したいと思います。 最後にアフリカそしてマリに関心を払っていただいたことに対しお礼申し上げます。
ありがとうございました。 Gambatte(ガンバッテ)。